腹巻きは尾骨まで、レッグウォーマーはかかとまで覆うべし!

寒さが本格化し、冷え取りのニーズも高まっているのではないでしょうか。

私が編集者になった25年前、冷え取り企画の先駆者ともいえる先輩編集者が靴下を5枚も重ねばきをして、大きな靴を履いていたので、「変な人がいる……」と私は不思議な目で見ていました。それが今では重ねばきもすっかりおなじみに。きっと彼の長年の功績に違いありません。

冷え取りには、この「5本指ソックス・重ねばき」派と、「『首』温め」派の2派があります。

後者については、冷え取りの急所は「首」と名のつく部位として、首、手首、足首の保温を心がけ、手や足の指といった体の先端は開放したほうがよいと考えています。
根拠は、「気」という生命エネルギーが体の先端から出入りしているというもの。
気をスムーズに流すために先端は覆わず、「首」と名がつく部分だけを温めたほうが体にとって心地いいわけです。
赤ちゃんが靴下を脱ぎたがるのはこのためかと、私は解釈していました。

私自身は「『首』温め」派を採用し、レッグウォーマーを愛用しています。
ポイントはかかとまで覆うこと。かかとをすっぽり覆うと足首全体が保温されます。

夜寝るときにも足首を保温すると、眠りが深くなって体調が整えられるはずです。
私の知人は、靴下だと夜中に脱いでしまうけれども、レッグウォーマーだとそのようなことがないので快適だと話しています。

かかとをすっぽり覆うような感じだと足がよく保温されます(足がサンダル焼けして汚くてスミマセン)

 

腹巻きについては、おなかというよりも骨盤を覆うような感じで使うといいでしょう。
通常よりも下の位置で、尾骨をカバーするように腹巻きを装着します。丈の長いものがお勧めです。

通常よりも下の位置で、尾骨をカバーするように装着しましょう

 

 

ここから宣伝!
オーガニックコットン製の「骨盤冷え取り腹巻き」「手首・足首ウォーマー」を「知恵の木」では取り扱っています。天然素材で染める際、何度も水洗いしているため、くたっとしていますが、その分ソフトな肌触りになりました。
どちらも薄手で体の締め付け感がないので、私は寝るときに愛用しています。

もちろん「知恵の木」の商品が特段優れているというわけではなく、腹巻きは尾骨まで、レッグウォーマーはかかとまで覆うように心がければどんな素材のものでもかまいません。

 

 

 

女の不調を解消したいなら、歩くしかない

月経痛や更年期障害といった女の不調を解消したいなら「歩くしかない」という結論が、私には出ています。大豆製品(イソフラボン)や漢方薬、サプリなどを摂取しても、体をあまり動かさなければ効果は得られません。

 

結論付けた理由の1つは、私が仕事を始めた25年ほど前から現在に至るまで、「運動すると更年期の症状が軽減する」という研究結果が国内外で発表され続けていること。

 

加えて、人間の体の構造から、運動をしなければ健康にはならないだろうと考えたのです。

大人の骨の数は約206個。これほどたくさんの骨がある理由は、運動するためです。骨の数が少なければ、滑らかな体の動きはできません。2本の足で立って歩き回るために、人間の骨格が出来上がり、その周囲に筋肉が付着しているのです。

 

運動で筋肉が伸縮すると、静脈が外側から圧迫されてポンプのように血液が心臓に戻ります。

また、筋肉が熱も作り出しています。

動くために進化してきた私たちの体は、動かさなければ血液が循環しにくいし、体温が下がるし、不都合が起こりやすいのです。じっと座っている、ゴロゴロ横になっている状態では、体調が悪くなります。

 

そして、1週間に2回ぐらいエアロビなどの激しい運動や筋力トレーニングをするよりも、毎日こまめに歩き回ったほうがいいでしょう。「朝にジョギングして疲れたから家でゴロゴロする」というのは、本末転倒。

1日の活動量を増やし、筋肉を動かす時間を長くすることを心がけたほうがいいでしょう。

 

余談ですが「朝のジョギング」は、1日のリズムと筋肉の観点から、私はお勧めしません。

朝に運動すると、やはり疲れて昼間の活動が落ちやすいこと。学生の場合は、朝練で授業中の居眠りが増えるそうです(睡眠の専門医の話)。会社員も、仕事の能率が下がっているかもしれません。

 

 

そして、まだ筋肉をよく動かしていないのに、走って地面の衝撃を関節が受けると、故障する可能性があります。

 

この2点から、ジョギングは夕方16時ぐらいに行うのが、1日の活動で筋肉の準備運動が済んでいるし、心地よい疲労感で夜の眠りもよくなるのでいいでしょう。

 

歩くことと健康との関連で膨大なデータを取っている青柳幸利先生の話では、家の中で家事をして体を動かしても、1日の運動量は多くならないのだそうです(取材で聞いた話ですが、本にも書いてあるかもしれません)。

「とにかく、外出して歩いたほうがいい」ということでした。

 

個人の体力やその日の体調で、どのくらい歩いたらいいのかは異なるでしょう。私は「30分以上を目安に、明日も楽しく歩ける疲労感」で歩く時間や距離を調整するといいと思います。

 

自転車よりも歩いたほうがいいのは、腕を前後に振ることで肩甲骨が動き、骨盤も連動するためです。骨盤が刺激を受けると、卵巣や子宮といった骨盤内の臓器の血液循環もよくなります。また便秘の解消にも効果があります。

 

歩き方のポイントは、骨格に合わせたフォームにすること。さまざまなウォーキングが世の中で紹介されていますが、ねじりを加えたフォームは長時間歩くことに不向きだと私は思います。

 

それから歩く前と後には骨盤ぐるぐるをしましょう。

 

プラスしたいのは、ふくらはぎのストレッチです。外反母趾や足底筋膜炎など足のトラブルを抱えている場合はふくらはぎの筋肉が硬くなっている傾向があります。足裏とふくらはぎは連動しているので、ふくらはぎを十分にストレッチしてから歩き、歩いた後も疲れを残さないようにストレッチを行ってください。

 

じっと家に閉じこもっていると、どんどん体が重くなります。1日の中で歩く習慣をつけるだけで、体調だけでなく、気分もずいぶん変わります。シューズと靴下にはお金をかけたほうがいいですが、そのほかはお金がかかりません。

 

シューズについては「幅広のほうがいいのでは?」と思い込んでいる人もいるのですが、足にぴったりフィットするシューズを選んでください。シューズの中で足があちこち移動しないことが大事です。

足の甲とかかとを深く包み込み、靴底のクッション性が高いスニーカーを選ぼう

 

靴下は、五本指タイプをお勧めします。歩くときに、靴底を指でぐっとつかむ感覚が出るといいですね。

 

水分補給も忘れずに!

腰痛や足の裏の痛み・違和感を軽減するポイントはふくらはぎ

腰痛を訴える人は少なくありません。

以前に取材した歯科医の女性も、腰痛を訴えていました。

取材中に「やせるためにランニングをしている」と聞いたので、「もしや」と思って取材後にふくらはぎを触らせてもらうとパンパン。力を抜いた状態なのに、ふくらはぎが異様に硬いのです。

彼女に「走るフォームを専門家に見てもらっていますか」と聞くと、自己流とのこと。

 

私たちには、ちょっとした癖があります。

歩くときに右側か左側に傾いていたり、足を内側や外側に回転させてあまり上げていなかったりしているのです。足が上がっていない場合は、太ももの筋肉をあまり使わず、ふくらはぎばかりに負担がかかっていることもあります。

歩いているときには支障がなくても、走るときは着地での衝撃が大きいので、癖の影響も大きく現れます。

 

先に述べた女性の場合は、おそらくランニングで足があまり上がってなく、ふくらはぎの筋肉を酷使していると考えられます。

ランニングの前後でしっかりとしたストレッチをせず、ふくらはぎの疲労をためてしまうと、筋肉が硬くなってきます。そして柔軟性を失い、足底や腰に悪影響が出てくるのです。

 

ランニングを行っている人には「足底筋膜炎」が多々見られます。

足の裏、特にかかと近くの土踏まずが痛むのですが、理由と1つとしてふくらはぎの筋肉が柔軟性を失ったことが足底の筋肉を引っ張って、足底のクッション作用が働かなくなるのです。

ふくらはぎの筋肉が柔軟性を失う→アライメントが崩れる→土踏まずのクッション作用が働かなくなる、というわけです。

 

同様に、上半身と下半身をつなぐ腰にも、ふくらはぎの筋肉が硬くなった影響が現れるようです。

 

腰や足底が痛いときは、ふくらはぎをチェックしましょう。

力を入れたときと抜いたときで、ふくらはぎの硬さがあまり変わらなければ要注意。しっかりマッサージとストレッチを行いましょう。

 

■ふくらはぎのストレッチ

 

右足を前に、左足を後ろに開き、右の太ももに両手を置きます。

このとき、右足のひざがつま先よりも前に出ないようにしてください。そして骨盤を正面に向けます。

ゆっくりと息を吐きながら、左足のかかとを床に押し付けていきます。

 

 

息を吐き切ったら、左足のひざを曲げ、かかとを上げながら、ゆっくりと息を吸います。左足の指を開いて、ぐっと床に押し付けます。骨盤は正面に向けたまま

にして、ひねらないようにします。

 

 

 

再び、ゆっくりと息を吐きながら、左足のかかとを床に押し付けていきます。

これを5回繰り返したら、左足を前に出して、同様にふくらはぎを伸ばしましょう。

 

ストレッチの強さの目安は「気持ちよさがあるかどうか」です。

筋肉を伸ばす気持ちよさよりも痛みのほうが勝っている場合は、逆に筋肉は伸びません。

脳が痛みを感知して、筋肉を収縮させるほうに働くのです。

無理なストレッチは禁物です。

 

ストレッチの最中に体がぐらぐらするときは、壁の前に立ち、両手を壁で押しながらふくらはぎのストレッチを行うとよいでしょう。

 

ふくらはぎのストレッチを行っているときは、ふくらはぎの内側と外側でどちらのほうがイタ気持ちよさを感じるのか、確かめましょう。

また痛みが強い場合は、ふくらはぎ全体の筋肉ではなく、部分的に偏って筋肉を使っている可能性が高いと言えます。ということは、姿勢にも傾きがあるのです。

この状態でジョギングやエアロビクスなど体を大きく上下させる動きを行っていると、足底筋膜炎や腰痛、変形性膝関節症などを引き起こしやすくなります。

有酸素運動はウォーキングにとどめ、またウォーキングの際も足の運び方(内側や外側に回っていないかなど)を確かめて、まっすぐ足を運ぶようにしましょう。

女性としての体に向き合うと、最終的に女性としての幸せをつかむことになる

女性としての体は

居心地が悪い

 

月経をどう受け止めるか。

女性としての自分の体をどう扱うか。

煩わしくて、面倒で、つらくて、憂鬱で、女は損をしていて、ないほうがいいと受け止めるのか。

自然な体の現象として、前向きに受け止めるのか。

 

月経の受け止め方は、健康だけでなく女性としての生き方にも大きく影響します。

 

過激なダイエット、醜形恐怖が引き起こす厚化粧、安易な性交渉などのいびつな行動が、年代を問わず、多くの女性に見られます。

 

月経が止まってもなおダイエットしたり、素顔がわからないほどメイクしたり、収入に見合わない遊びや買い物をしたり、会ったばかりの男とすぐに恋に落ちた気分になってセックスしたり、極端な行動に走るのに学歴やキャリアは関係ありません。

 

古くは東電OL殺人事件。

最近では、詐欺の疑いで逮捕された女医。

エリートと称される女性たちにも、夜は娼婦になって道端で用を足すなど奇行を見せたり、過剰にメイクをしてホスト遊びをしたり、遊ぶ金欲しさに犯罪に手を染めたりしています。

彼女たちは、幼い頃から優等生で、勉強に励み、社会人になってからは猛烈に仕事をしたと予想します。

受験などの競争を勝ち抜くために、月経はお荷物だったのかもしれません。

 

また、エリートかどうかは関係なく、初潮を迎えたときに母親から「あなたも面倒なことが始まったわね」とため息をつくようなコメントをもらったり、ちょっと機嫌が悪いと家族から月経のせいじゃないかとからかわれたり、月経に関してマイナスのイメージを刷り込まれた可能性もあるでしょう。

 

女性としての体は居心地が悪い。

だから自分の体に向き合えていない女性は多いのかもしれません。私は仕事を通してそのように考えるようになりました。

 

「生む性」としての体に

向き合えない

 

私が女性の体について考える大きなきっかけになったのが、ある産婦人科医への取材でした。

女性の人権を守るための活動もされていた女医で、4年前にお亡くなりになりました。

取材テーマは子宮筋腫

私もライターも「手術をしなくても、セルフケアで乗り切れる」という内容を期待していたのですが、まったく違う回答でした。

「痛み止めやサプリメントなどを飲んだりしてごまかしてはいけません」「筋腫として切除した組織を検査すると、すべて良性とは言えないんです」「子宮を摘出するかも含めて検討し、女性としての自分の体に向き合うべきです」といったお話。

 

当時私は30代で結婚していましたが、出産について何も考えていませんでした。

「そのうち、まあいつか」と思っていたのですが、産婦人科医からは「いつでも生めると思っていたら、それは間違いですよ」というような話になりました。

 

私とライターは「先生のお考えだから仕方がない」とそのまま記事にしたのですが、まず、同僚の女性編集者が読んで「内容がポジティブではない」と不快感をあらわにしていました。

そして読者からの評判もよくなかったことを覚えています。

それもそのはず。多くの女性は次のような記事を期待していたでしょう。

○筋腫は良性の腫瘍だからセルフケアでなんとかなる。

○筋腫が見つかっても手術は不要。

○子宮の摘出なんてとんでもない。

実際の記事は期待を裏切る内容であるうえ、妊娠・出産のモラトリアムに対してNoを突きつけているのです。

 

私だけでなく同僚も妊娠・出産のモラトリアムを抱いていたようですが、なぜ先延ばしにしたかったのでしょうか。

仕事が忙しい、もっと旅行などを楽しみたいなど理由はいろいろ挙げられますが、生む性としての自分の体と向き合えてなかったと今は思います。

 

私も同僚も、子どもの頃は勉強をがんばり、就職活動を必死に行って仕事を得ました。

そしてヒットを出すように仕事に励みながらも、毎晩のように飲み歩いていました。

飲み屋で男性と一緒になれば、自分たちの仕事内容をおもしろおかしく話して、魅力的に見えるように懸命だったと思います。

ただお酒を飲んでも太りたくはないので、ダイエットが日課でした。

仕事ができたほうがいいし、話はおもしろいほうがいいし、見た目は少しでもほっそりして女らしいほうがいい。

いつもがんばっている私たちとって体はこき使うものであって、子どもを生むためにあるという感覚はまったくありませんでした。

 

世の中はまだまだ競争社会です。

見た目や能力を競い合ったり、たくさんのお金と物を所有しようとしたり、数多くの異性にモテようとしたりすることが当たり前という風潮の中で、「生む性」は面倒くさいものなのかもしれません。

 

他人からの評価を得るために

自分の快・不快をマヒさせる

 

食に興味がない、いつも食欲がない、食べたくないという感覚は、「やせたい」「やせなければ」という観念で知らぬ間に食欲を押さえつけている結果かもしれません。

 

私の高校時代には、おにぎり1個も食べ切れず「おなかがいっぱい」と話す女子がいました。加えて、うどんなどに唐辛子をこれでもかとかけて、真っ赤な汁をすすっている女子もいました。異様な光景を見た気がしたものです。

 

前者は太りたくないから食べない、後者は唐辛子のカプサイシンが脂肪燃焼に効果的ということから、やはり太りたくないので激辛にするという行動が生まれたのだと思います。

そして、こうした行動をするために「いつも食欲がないのは私にとって自然なこと」「私は激辛が大好き」と後から理由づけをしたのではないでしょうか。

 

体質や体調、気分で食べられない・食べたくない場合もあるでしょうし、腹八分目や少食はむしろ望ましいことです。

ただ、食べない女子やカプサイシン女子には、体質や体調ではなく「やせたい」という強い観念で体の欲求も快・不快もマヒさせている印象があります。

 

体の欲求とは、変化させて循環させること。

疲れっぱなし・眠りっぱなし・おなかが減りっぱなし・おなかに食べ物が入りっぱなし・老廃物がたまりっぱなしという「~ぱなし」を解消することを体は求めています。

そして、体の欲求を満たすことは生命活動の維持にもつながるので、幸福感が得られるように体はできているはずです。

 

疲れた後にぐっすり眠って、朝の目覚めが気持ちいい。

トイレに行った後は、体がスッキリする。

食事の後は、体が温かくなって心地いい。

子宮の内膜が厚くなった後、内膜がはがれて月経血として体の外に排出される月経も、変化させるという欲求を満たすという点で気持ちがいいものなのでしょう。

 

見た目がかわいい、やせている、スタイルがいい、男性にモテる、頭がいい、あこがれの職業に就いている、お金に困っていない、ブランド物で全身を固めている……

こうした条件で得られるのは、脳内の幸せ。

脳内の幸せは、実は自分自身ではなく、ほとんどが他人の評価によって得られています。

 

月経が始まる多感な時期は、他人の目などをひどく気にしがちです。

だからこそ、脳内の幸せではなく、自分の体から湧きだしてくる幸福感を強く意識して、バランスを取ってほしいのです。

タイムマシンがあれば、高校時代に戻って食べない女子やカプサイシン女子に、体からの幸福感について伝えたいと思ってしまいます。

 

高齢になって

再び向き合う「生む性」

 

女性たちにとって月経は面倒くさいものであり、閉経に対しては「女じゃなくなる」とネガティブにとらえているケースは少なくありません。

 

こうしたマイナスイメージは、日本だけのようです。津田塾大学三砂ちづる教授の著書『オニババ化する女たち』によれば、ブラジルアマゾンに住む先住民族は、女性は閉経すると「これでもう妊娠しないから、気にせず性生活を楽しめる」と喜ぶそうです。

同じ傾向が欧米人にも見られ、「避妊の手間からの解放」「もっと自由に性生活を楽しめる」とポジティブにとらえると、エリカ・アンギャルさんもインタビューで語っていました。

こうした性文化の違いが、性生活にも反映されているのでしょう。

加えて、日本には「女性が性欲を持つのは恥ずかしいことだ」という偏見もあります。 性欲は、睡眠欲と食欲とともに人間の3大欲求とされていますが、女性の場合は性欲を肯定しにくかったことから、性生活を楽しめないのではないでしょうか。

 

高齢になれば性欲が減退することが、自然の流れである」といった見方はあるものの、人生100年時代が来つつある中で、女性が閉経を迎える45~55歳で性生活をストップさせるのは寂しいことなのかもしれません。

 

「骨盤ぐるぐる」で骨盤周囲の筋肉に刺激を与えたり、骨盤底筋をトレーニングしたりすることは、性機能を上げるだけでなく尿失禁、子宮、膣、直腸などが本来の位置から移動する「骨盤臓器脱」を防ぐ効果もあります。

女性であり続けようと心がけることが、健康維持にも役立つのです。「年齢を重ねても女として楽しめるし、閉経すればもっと性生活が自由になる」と意識を変えるのはいかがでしょうか。

 

これからは女性の体であることが

幸せに感じられる時代に

 

三砂教授の研究テーマの1つに、日本の出産事情の変化があります。

高度成長期に入って核家族化が進むと同時に、出産の場が自宅・助産院から病院へと変わったのだそうです。

昔は家族に囲まれて出産していたのが、病院で孤独に陣痛に耐えながら出産するようになったとのこと。

当時はベビーブームで病院スタッフの手も回らず、産後のケアも行き届きませんでした。

さらに、核家族化した自宅で母親たちは孤独に子育てし、同時に女性の社会進出も進んでいたことから、出世して華やかな活動をする女性たちを羨望していたようです。

 

現在の40~50代の女性たちの母親は、社会変化の中で、「生む性」としての自分の性を喜べなかったのではないでしょうか。

そんな母親に育てられたために、「女は損」とマイナスメッセージを受け続けることになった女性は少なくないでしょう。

加えて「私はあなたを育てたせいで活躍できなかったんだから、あなたは出世しなさい」などと、プレッシャーを与えられたこともあるかもしれません。

 

しかし、時代は変わりました。

少子高齢化が進んだことで、「生む性」に手厚い保護が受けられるようになっています。

 

そして見た目や能力を競い合ったり、たくさんのお金と物を所有しようとしたりするのが、古臭い価値観になりつつあります。

競争よりも共存、所有よりもシェアが「かっこいい」ととらえられているわけです。

 

そして寿命が長くなり、人生100年時代に入って、年齢を重ねても女として楽しむことが当たり前になるでしょう。

50歳はまだ折り返し地点。

過去のマイナスイメージやプレッシャーは捨て去りませんか。

女性としての体に向き合うことが「自分らしさ」につながり、最終的には女性としての幸せをつかむことになるのです。

 

『女性の体の知恵』では会陰マッサージについて記述しています

 

手相は変わるし、運命は自分で変えられる

中国には手を見て体調を推測したり、運気を占ったりした歴史があります。

東洋医学の診断法である「望診」では患者さんの顔や舌、姿勢などを見て、また「切診」では脈やおなかなどを触って体調を判断します。

手のひらについては、親指のつけ根の膨らみを魚腹(ぎょふく)といって、この部分が紫色になっていれば小腸に異常があると考えられているそうです。また、魚腹に弾力があれば健康で長生きし、固かったりブヨブヨだったりすると短命とされていました。

また、中国の手相占いでは手のひらを8つに分けて、『易経』の「八卦(はっけ、はっか)」を割り当てています。

 

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乾兌離震巽坎艮坤(けん だ り しん そん かん ごん こん)
天沢火雷風水山地(てん たく か らい ふう すい さん ち)

陽←      →陰
能動       受動
天         地
昼        夜
動         静
剛         柔
日        月
男        女
親        子

易経』は儒教の経典『四書五経』の一つで、占い書としてだけでなく哲学や政治学、人間として生きる道も書かれた書物として読んで学ぶべきだと考えられたのだそうです。

ちなみに、無意識について研究した精神科医・心理学者であるカール・グスタフユングは、『易経』に興味を持っていたのだそうです。

易経』での陰陽は固定的ではなく、あらゆるものが陰になったり陽になったりコロコロと入れ替わって変化します。陰と陽は反発するとともに交わり合っているとのこと。

また、吉凶については、「吉」だからラッキー、「凶」はアンラッキーと決めつけられないようです。

「吉凶悔(かい)吝(りん)」という言葉があり、吉凶悔吝は巡るとされています。「吉」は得る、「凶」は失う、「悔」は後悔する、「吝」はけちるという意味で、自分の思いどおりに物事が進むと(吉)、周囲に注意を払うことをけちって驕りが生じ物事を都合よく考え(吝)、物事がうまくいかなくなります(凶)。そこで反省して悔い改めると(悔)、物事がうまく進むようになるというわけです。

物事が順調に進んでるように見えても「吝」が高じていることは、実は無意識のうちに私たちはわかっています。この状態で「吝」に気づき、大きな「凶」を避けるために易を立てるのです。この意味では、易とは危機管理とも言えます。

私自身、子どもの頃は吉凶を絶対的なものとしてとらえていました。ある占いで人生の12周期の中で非常に悪い年に大学受験がぶつかり、「私の人生はもうだめだ」ととても落ち込んだことを覚えています。結果としては、第一志望は落ちたものの、進学した大学でひどい目に遭うことなどなく、4年過ごして無事に就職しました。

中年を過ぎれば「あの占い師は勉強が足りない」「占いがすべてではない」とわかるのですが、多感な時期は周囲に影響を受けやすいうえ、思い込みも激しいものです。

ですから、若い時期に占い本や自己啓発本など読まずに、『易経』といった古典から自分はどう行動するのかを学んだほうがよいと思います。

手相については、色や血管だけでなく丘も線もどんどん変化します。私の場合は、血管が浮き出しているときにウォーキングをしただけで、血管が目立たなくなった経験があります。ウォーキングという行動で体内の血流が変わると、手相も変わっていくわけです。

運命を絶対視せず、自分の体と行動を大事にしなさいと先人たちは語っていました。

 

 

姿勢をよくしただけで脳の血流量が1.22倍増えた

脳神経外科医を取材したときに、神経について勉強し直しました。

それ以前の取材では、セロトニンドーパミンといった神経伝達物質、自律神経など、神経に関係する一部だけを大きく取り上げることがほとんどでした。改めて「神経とは?」と自分に問い直すと、ニューロン神経細胞)の長さなどわからないことのほうが多いと気づきました。

脳についてはニューロンは1割程度で、9割はグリア細胞なのだそうです。
脳神経外科医の取材で鍵になったのは、グリア細胞のオリゴデンドロサイトとシュワン細胞です。

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まずは神経の基礎知識をおさらいします。

神経系は、中枢神経系と末梢神経系に分けられます。
●中枢神経系 脳(大脳、間脳、脳幹、小脳)と脊髄→情報分析をする、指令を与える
末梢神経系 脳神経、脊髄神経→皮膚や内臓、目などでキャッチした情報を中枢神経系に送る、指令を全身に送る

脳神経とは、脳を出入りする、12対の末梢神経です。
○嗅神経 特殊感覚神経 大脳辺縁系の嗅脳に出入り
○視神経 特殊感覚神経 間脳に出入り
動眼神経 体制運動神経 脳幹に出入り
○滑車神経 体制運動神経 脳幹に出入り
○三叉神経 鰓弓神経 脳幹に出入り
○外転神経 体制運動神経 脳幹に出入り
○顔面神経 鰓弓神経 脳幹に出入り
○内耳神経 特殊感覚神経 脳幹に出入り
○舌咽神経 鰓弓神経 脳幹に出入り
○迷走神経 鰓弓神経 脳幹に出入り
○副神経 鰓弓神経 脳幹に出入り
○舌下神経 体制運動神経 脳幹に出入り

脊髄神経とは、脊髄を出入りする、31対の末梢神経です。
○頸神経 8対
○胸神経 12対
○腰神経 5対
仙骨神経 5対
○尾骨神経 1対

脊髄神経を機能的に分類すると、次の3つになります。
○感覚神経 求心性線維 皮膚などの感覚を伝達する
○体制運動神経 遠心性線維 運動の指令を筋肉に伝達する
○自律神経 遠心性線維 内臓機能を調節する

神経系を構成するのが、ニューロン
ニューロンは、他の細胞から情報を受け取る樹状突起と、他の細胞に情報を出力する軸索、神経伝達物質が分泌される神経終末で構成されています。
電気信号は、樹状突起→軸索→神経終末の順に伝えります。神経終末と別のニューロン樹状突起が連結しているところがシナプスで、シナプスのすき間で神経伝達物質を受け渡しして電気信号を伝えています。

中枢神経から皮膚や内臓、目などまで、1個のニューロンで構成されるのだそうです。
私は何個かのニューロンが中継していると勘違いしていました。
いちばんニューロンが長いのは坐骨神経で、1mほどの長さとのこと。
ニューロンが長いというのは、すなわち軸索が長いということです。

多くのニューロンの軸索には、ミエリン(髄鞘)という膜がバウムクーヘンのようにぐるぐると巻きついています。
ミエリンが軸索全体を巻きついているわけではなく、ところどころにすき間があります。
このすき間をランヴィエ絞輪と言います。
軸索を伝わる電気信号が、ランヴィエ絞輪をポンポンと跳ぶこと(跳躍伝導)で、伝わる速度が100倍ぐらい加速されるのだそうです。

言い換えると、ミエリンが電気を通さない絶縁体として存在することで、電気信号が速く伝達されているというわけです。
ミエリンをつくるのが、グリア細胞のオリゴデンドロサイトとシュワン細胞。
中枢神経系でミエリンを作る細胞はオリゴデンドロサイト、末梢神経系でミエリンを作る細胞はシュワン細胞と呼ばれています。

ミエリンが軸索からはがれる(脱髄)と、神経細胞を電気信号が伝わっていく速度が遅くなるだけでなく、神経細胞が死んでしまうのだそうです。
手足のまひや失明などが起こる「多発性硬化症」は、ミエリンがはがれ落ちたことが原因だとされています。

ミエリンの修復については、通常は自然に起こっているとのこと。
しかし、ミエリンを作るオリゴデンドロサイトとシュワン細胞に血液が行き渡らないなどの原因で、ミエリンは修復されないようです。
血流をよくするには、体を温めて血を増やす食品を摂取しすることが大切です。

そしてやっぱりウォーキング。
家の外を歩き回って、皮膚で風を受け、小鳥のさえずりなどを聞き、空気をかぐのは五感を刺激して脳の血流を増やすことにつながります。
同時に、ウォーキングという全身運動で、体も脳も血流が活発になるのです。

取材した脳神経外科医によると、猫背などの悪い姿勢は神経を圧迫させるのだそうです。
この医師が光トポグラフィで測定したところ、姿勢をよくしただけで脳の血流量が1.22倍増えたとのこと。

脳トレと称したゲームを背中を丸めて座って行うよりも、ウォーキングのほうは脳のためにはよいと私は思っています。骨盤ぐるぐるなどで姿勢をよくしてからウォーキングを行うと、脳の血流をアップする効果が高まると期待できます。

話を神経に戻すと、昔は脳や神経の研究はニューロンのことばかりで、グリア細胞はわき役、あるいは悪役にされてきたようです。
それが1980年代頃に細胞内カルシウム濃度研究法や二光子レーザー顕微鏡などの技術によって、グリア細胞の機能が発見されて研究の主役になってきたとのこと。
私の学生時代と今とでは、生物の教科書の内容もずいぶん変わっているのだろうなと思った次第です。

 

 

手のぬくもり、触れられる気持ちよさが自然治癒力を高めるという可能性

「看護師は医師の単なるサポート役ではありません。看護師にしかできない仕事があるのです」

このように語っていたのは、看護師の川嶋みどりさんです。
川嶋さんは90歳に近い年齢ですが、まだ新人だった頃に末期の悪性腫瘍だった9歳の女の子を担当、看護の力を実感したのだそうです。
女の子は衰弱して痛みを訴えるばかりで、まったく食事が取れない状態でした。
しかし、川嶋さんが温かいタオルで体をきれいに拭いてあげていたら、1週間後に「おなかが空いた」と訴えてきました。
川嶋さんがおかゆを作って持ってくると、女の子はおいしそうにおかゆを飲み込みました。
その姿を見て、川嶋さんは「体に触れてケアすることで、看護師にだって救える命がある」と確信したのだそうです。

医師にしてみれば、治療は薬や手術で行うもの。
「患者の体を拭く暇があったら、医者を手伝え」などと川嶋さんは言われたとのこと。
それでも川嶋さんは「看護で患者さんの症状が回復に向かう可能性が高い」と考え、看護師の仕事を続けてきたと話していました。

看護師の手のぬくもり、触れられる気持ちよさが、患者さんたちの生きる力と生きようとする思いを強めたのではないでしょうか。

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私は編集者としての25年の間に、川嶋さんをはじめ、多くの人に「病になること」「病から回復すること」の話を聞いてきました。
そして人間の体には、検査の値や前例だけでは決めつけることのできない、計り知れない力があると思うようになりました。

医師に言われたことや数値だけで一喜一憂しないほうがいいでしょう。
また、医師にもいろいろな人がいて、ある治療法に対してまったく正反対の見解を示していることは珍しくありません。
人気の医療ドラマシリーズ「ドクターX」でも、さまざまな医師の姿がコミカルに描かれています。
失敗しない医師はさすがに架空のものですが、今の医学界や医師の在り方については思い当たるところが多いので、多くの人におもしろいと評価されているのではないでしょうか。