産後うつの原因を、周囲の人間による言葉の暴力や無理解だと決めつけないで

産後うつで悲しいことは、赤ちゃんを取り巻くすべての人が「自分が悪い」と自身を責めてしまうこと。

お母さんやお父さんだけではありません。

赤ちゃんが成長して、いろいろな状況がわかるようになると、「自分が生まれたことで、お母さんを苦しめた」と罪悪感を抱く可能性もあるでしょう。

 

だから、しつこくお伝えします。

産後うつは誰も悪くありません。お母さんの「温かい血」が足りないから引き起こされている場合があるのです。

 

インターネットで以下のニュースが流されました。

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妊娠中にパートナーから言葉の暴力などの心理的ドメスティックバイオレンス(DV)を受けると、子どもが生まれた後に「産後うつ病」になる可能性が約5倍に高まるとの調査結果を、藤原武男・東京医科歯科大教授(公衆衛生学)らがまとめた。

---  「<妊娠中被害>心理的なDV、産後うつ5倍 東京医歯大調査」 毎日新聞 2017年4月24日(月) 7:10配信 より抜粋

 

私は一介の編集者ですが、この記事が「産後うつを発症した女性のパートナーは、心理的・肉体的な暴力をふるっている」という印象を与えてしまわないかと心配しています。

 

これまで私が取材などで扱ってきたケースでは、産後うつで亡くなられた女性は、決して夫など周囲の人間が無理解だったり、赤ちゃんと一緒にほったらかしにされたりしたわけではありません。

ちょっと様子が変だからとご家族が昼夜問わず見守っていたにもかかわらず、目を離したすきにお母さんが突発的な行動を取ってしまうケースもあります。

ですから、「お母さんにもっと温かい言葉をかけてあげれば」「周囲がサポートしていれば」という観点だけでは、産後うつを防げないと私は思っているのです。

 

心理的ドメスティックバイオレンス」というものが非常に難しく、女性にとって通常はサラリと受け流せるような周囲の言動が、妊娠中や産後だとひどく傷ついてしまうことは珍しくありません。

 

特に産後は、気持ちが深く落ち込むことがあります。

「なんだかつらくて、いつもポロポロと涙が出てくる」

「赤ちゃんがかわいいはずなのに、私はちっともかわいいとは感じられない」

「母乳が出なくて、ミルクに頼りっぱなし。ダメなお母さんなんだ」

「私なんかいないほうが、赤ちゃんにはいいんだ」

「私が生きていたって、なにもいいことはない」

さまざまな思いが頭を駆け巡るでしょう。

 

こうしたさまざまな思いは、外部から与えられているのではなく、お母さんの体から生まれている可能性があります。

 

先に「温かい血」と書きましたが、血とは東洋医学の概念で、血管を巡って各臓器に栄養や潤いを与えるエネルギーです。

西洋医学の「血液」は「血」という言葉からつけられたと聞いています。

紀元前に生まれた東洋医学では、人間の体を丹念に観察したり、植物や鉱物を摂取したときにどう反応するかを調べたりして、全身を一つの生命ととらえて病気を治してきました。

うつを含めた産後のトラブルについても古くに把握されているので、生活術や食事法などが考え出されてきたのです。

産後うつは、体を温かい血で満たして治す」「産後を見据えて妊娠期間を過ごしてください」と私がお伝えするのも、東洋医学的な観点からです。

 

体を温かい血で満たすために、私が最も重要だと思っているのは「スマホやパソコンを使ったり、テレビを見たりして目を酷使しないこと」です。

理由は『女性の体の知恵』に書いていますが、この本を書いた後に取材した医師からも「脳を酷使して疲労感や不安感が生まれるから、スマホやパソコンを使い過ぎるな」と聞きました。

そのほかの体を温かい血で満たす方法は、ブログの「産後を見据えて妊娠期間を過ごしてください」の記事で書いています。

鶏スープがお勧め!

お母さんも「自分が悪い」などと自身を責めず、体を温かい血で満たす生活を送ってください。

体が変われば自然と心が変わることは、決して珍しくありません。

 

 

 

 

産後を健康に過ごし、子育てで楽にするために役立てていただきたい、妊娠中の過ごし方や心身のケアを1冊にまとめました。会陰切開・妊娠線の予防や母乳育児、逆子の直し方、無神経な周囲の人との付き合い方、骨盤ケア、子どもの育てにくさ、教育資金のため方などを紹介しています。

『女性の体の知恵  妊娠から子育てまで健やかに過ごす』