手相は変わるし、運命は自分で変えられる

中国には手を見て体調を推測したり、運気を占ったりした歴史があります。

東洋医学の診断法である「望診」では患者さんの顔や舌、姿勢などを見て、また「切診」では脈やおなかなどを触って体調を判断します。

手のひらについては、親指のつけ根の膨らみを魚腹(ぎょふく)といって、この部分が紫色になっていれば小腸に異常があると考えられているそうです。また、魚腹に弾力があれば健康で長生きし、固かったりブヨブヨだったりすると短命とされていました。

また、中国の手相占いでは手のひらを8つに分けて、『易経』の「八卦(はっけ、はっか)」を割り当てています。

 

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乾兌離震巽坎艮坤(けん だ り しん そん かん ごん こん)
天沢火雷風水山地(てん たく か らい ふう すい さん ち)

陽←      →陰
能動       受動
天         地
昼        夜
動         静
剛         柔
日        月
男        女
親        子

易経』は儒教の経典『四書五経』の一つで、占い書としてだけでなく哲学や政治学、人間として生きる道も書かれた書物として読んで学ぶべきだと考えられたのだそうです。

ちなみに、無意識について研究した精神科医・心理学者であるカール・グスタフユングは、『易経』に興味を持っていたのだそうです。

易経』での陰陽は固定的ではなく、あらゆるものが陰になったり陽になったりコロコロと入れ替わって変化します。陰と陽は反発するとともに交わり合っているとのこと。

また、吉凶については、「吉」だからラッキー、「凶」はアンラッキーと決めつけられないようです。

「吉凶悔(かい)吝(りん)」という言葉があり、吉凶悔吝は巡るとされています。「吉」は得る、「凶」は失う、「悔」は後悔する、「吝」はけちるという意味で、自分の思いどおりに物事が進むと(吉)、周囲に注意を払うことをけちって驕りが生じ物事を都合よく考え(吝)、物事がうまくいかなくなります(凶)。そこで反省して悔い改めると(悔)、物事がうまく進むようになるというわけです。

物事が順調に進んでるように見えても「吝」が高じていることは、実は無意識のうちに私たちはわかっています。この状態で「吝」に気づき、大きな「凶」を避けるために易を立てるのです。この意味では、易とは危機管理とも言えます。

私自身、子どもの頃は吉凶を絶対的なものとしてとらえていました。ある占いで人生の12周期の中で非常に悪い年に大学受験がぶつかり、「私の人生はもうだめだ」ととても落ち込んだことを覚えています。結果としては、第一志望は落ちたものの、進学した大学でひどい目に遭うことなどなく、4年過ごして無事に就職しました。

中年を過ぎれば「あの占い師は勉強が足りない」「占いがすべてではない」とわかるのですが、多感な時期は周囲に影響を受けやすいうえ、思い込みも激しいものです。

ですから、若い時期に占い本や自己啓発本など読まずに、『易経』といった古典から自分はどう行動するのかを学んだほうがよいと思います。

手相については、色や血管だけでなく丘も線もどんどん変化します。私の場合は、血管が浮き出しているときにウォーキングをしただけで、血管が目立たなくなった経験があります。ウォーキングという行動で体内の血流が変わると、手相も変わっていくわけです。

運命を絶対視せず、自分の体と行動を大事にしなさいと先人たちは語っていました。