『女の子のからだの知恵』女の子の悩みQ&A

○ムダ毛

 小さい頃にはあるかどうかもわからなかった体毛が、急に目立ち始める年頃です。
 男の子だと、小学5年生ぐらいで鼻の下の産毛が濃くなる場合があります。そんな女の子もちらほら見受けられます。
 やがて腕やすね、わき、おまたと、太い毛が生えてきて、ムダ毛の存在が気になってしまうかもしれません。

 ムダ毛が目立つようになるのは、成長している証拠。医学的にも、また私自身も、年齢を重ねるとムダ毛が目立たなくなっていきます。

 ムダ毛の処理に最適なのは、ハサミ。長い毛をハサミでカットするだけで、目立たなくなります。
 カミソリや毛抜き、除毛クリームなどを使用すると、肌が荒れる可能性があります。カミソリはムダ毛だけでなく肌の表面も削るし、毛抜きで抜いた後に菌が侵入してぽつぽつと吹き出物ができる可能性があるし、クリームでかぶれることは珍しくありません。
 皮膚科医に「肌への負担が少ないムダ毛処理法は何ですか」と尋ねたときに、電気シェーバー(電気カミソリ)が勧められました。電気シェーバーは肌の表面に出ているムダ毛だけをそり落とし、通常のカミソリよりも肌への接触が少ないのだそうです。

 「ムダ毛が憎い!」と抜いてしまうのはお勧めできないし、レーザー脱毛については何回も施術を受ける必要がありお金がかかります。ムダ毛には成長期と休止期があり、肌の表面に出ていないムダ毛が後から伸びてくるからです。

 ところで、大豆や大豆製品に含まれているイソフラボンという成分を摂取すると、ムダ毛が目立たなくなるという話があります。この観点で製品化されているのが豆乳ローションです。
 イソフラボンによってムダ毛が薄くなるかどうかについて、個人差が大きいようです。私自身は、まったく効果を感じられませんでした。
 からだによいと言われている食品でも、食べ過ぎるとアレルギーを発症することがあります。

 ムダ毛が気になるのはとてもよくわかるのですが、引き抜いたり、「効く」という食品を食べ過ぎたりすると、思わぬトラブルを招くもの。ハサミや電気シェーバーを使って、ケアするように心がけてください。

○ニキビ 

 これは多くの皮膚科医が指摘しているのですが、顔を洗えば洗うほどニキビは悪化します。

 肌の表面に出てくる皮脂は肌を守るために重要な役目を果たしますが、過剰に分泌されると炎症が起こる可能性があります。
 肌にいるアクネ菌という細菌は、皮脂や汗をエサにして弱酸性の脂肪酸を作り出しています。それによって肌が弱酸性に保たれて、雑菌が繁殖しにくい状態になるのです。
 しかし、皮脂が多すぎると、アクネ菌の持つリパーゼという酵素が皮脂の分解を促し、遊離脂肪酸という物質が作られます。遊離脂肪酸が皮膚を刺激し、皮膚が腫れて毛穴が小さくなります。その結果、毛穴に皮脂やアカなどが詰まって「角栓」ができます。毛穴がふさがると、中でアクネ菌が増殖して炎症を引き起こします。こうしてニキビができるのです。
 皮脂の分泌量は、年齢とともに変化します。生まれたばかりの頃は活発に皮脂が分泌されますが、生後2カ月ぐらいで減少。その後、分泌量が増えていき、20~30歳台をピークに減少していきます。

 皮脂は年齢や性別で量が異なりますが、次の条件で増えてしまいます。
1 ストレス
 体がストレスを感じると、それに対抗するためにコルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールには男性ホルモンの分泌を増やす作用もあるので、皮脂の分泌が増えます。
2 洗い過ぎ
 石けんなどで何度も顔を洗うと、体は皮脂の不足に対応するために、皮脂を過剰に分泌するようになります。

 洗い過ぎの問題は、肌のバリア機能を壊す点にもあります。バリア機能が壊れたことを体が察知してサイトカインというたんぱく質が分泌されると、バリアを高めようと角層が厚くなったり、角層の細胞がくっつきやすくなったりします。こうして、角栓ができやすくなるのです。
 皮脂やアクネ菌を取り除こうとして顔を洗い過ぎると、逆効果になるわけです。

 ちょっと面倒くさい話をしましたが、洗ったところでニキビがなくならず、むしろ増えると考えてください。

 顔を洗うときは石けんや洗顔料を使わないこと。そしてタオルでゴシゴシとこすらないこと。
 水で顔を洗い、タオルをそっと押し当てて水気を取り除くようにしましょう。

 なお、食品とニキビとの因果関係はありません。「チョコレートを食べるとニキビが増える」は都市伝説のようなものだと皮膚科医が話していました。どうやら、甘いチョコレートをバクバク食べたくなるほどストレスがたまっていることが、肌に悪影響を及ぼしているようです。

 ニキビができたときには、勉強や人間関係など、ちょっと心を見つめ直したほうがよさそうですね。

○におい

 自己臭恐怖症(自臭症)について、耳にしたことはありますか。
 実際に体臭や口臭はないのに、「自分のにおいのせいで周りに嫌われているのではないか」などと感じてしまう症状です。きっかけは「臭い」と言われたことや話している相手が鼻を押さえたことなど。本人が深刻に受け止めて自分のにおいに過敏になるケースが多いようです。
 自己臭恐怖症が悪化すると、精神科での治療が必要になります。においを気にしすぎると、心が病むということ。

 実はからだから出てきたばかりの汗は臭くありません。時間がたつことで皮肌の細菌が汗を分解して、においが発生するのです。
 からだが臭いのではなく、時間がたった汗が臭いのです。

 ですから、においを気にして体を何度も洗っても、制汗剤や消臭スプレーを何度も振りかけても、意味はありません。洗い過ぎや化学物質によって肌のバリア機能が落ち、肌荒れやかゆみを引き起こすことがあるので、むしろ要注意。
 においが気になるのなら、汗を吸った衣類や靴を洗いましょう。

 においを消す効果があるとして、ある大手化粧品メーカーがドクダミの成分を挙げていました。からだのにおいがどうしても気になるのならば、その部位にドクダミ茶をかけましょう。

 また、今井龍弥医師は、ミョウバン水を含ませたハンカチやタオルでからだをふくことを勧めていました。
 足のにおいに対しては、靴の中にシナモンパウダーを2~3回振り入れるといいそうです。
 口臭には、ヨーグルト歯磨きを試してください。

 デリケートゾーンのにおいは、疲れやストレスと大いに関係しています。
 下着が汚れたり、におい発生したりして女の子を悩ませる「おりもの」。膣からの分泌液や外陰部の粘膜などが排出されて混ざり合ったものです。ですから、健康な状態でもおりものが出るのは当たり前。恥ずかしがる必要はありません。
 しかし、疲れていたりストレスがたまったりすると、おりものの量が増えるだけでなく、からだを病原体から守る免疫力が落ちて膣に炎症が起こる可能性があります。こうしてデリケートゾーンからにおいがしたり、かゆくなったり、白いおりものが出たりするわけです。
 においなどがするからといって、デリケートゾーンを石けんで洗わないでください。乳酸を作り出して腟内を強い酸性に保ち、細菌感染を防ぐ「デーデルライン桿菌」という乳酸菌を減らしてしまうからです。

 対策として、ヨーグルトの透明な上澄みである乳清を、おふろ上がりや寝る前にデリケートゾーンに塗ることを今井医師は勧めていました。乳清には乳酸が含まれているからです。
 そしてきついパンツははかないこと。トランクスのように通気性のよい下着を身に着けましょう。

[今井医師考案のミョウバン水]
1 焼きミョウバン50g(生ミョウバンは75g)を水道水1.5リットルで溶かし、涼しいところに2~3日置いて「ミョウバン水原液」を作る。ミョウバン水原液は涼しい場所で保管する。
2 ミョウバン水原液を20~50倍程度の水道水で薄め、ミョウバン水の出来上がり。ミョウバン水は冷蔵庫で保存する。
※肌が弱い人は50倍に薄め、刺激が強ければさらに薄める
3 ミョウバン水でタオルやハンカチを濡らし、汗をそっとふき取る
※濡らしたタオルやハンカチを密閉袋に入れて持ちあること便利
※かぶれや痛みが生じたら水で洗い流す

[今井医師考案のヨーグルト歯磨き]
1 寝る前に、通常の歯磨きをする。
2 歯ブラシの先端にヨーグルトをつけて、葉や歯茎に塗る。
3 うがいはせず、そのまま寝る。

○痛み 

 女の子のほうが男の子よりも、さまざまな痛みを感じやすいようです。そして痛みは「からだリズム」の影響も受けています。

 痛みというものは、とても厄介です。
 見た目だけでは、痛みがあるかどうかがほかの人にはわかりません。だから周囲に理解してもらいにくいのです。
 痛みで絶えず緊張してイライラし、疲れているのに夜になっても眠れません。
 そして病院に行っても、検査で原因が特定できないことが多いのです。

 すべての痛みに効果的なのが、「湯たんぽ」。班目健夫医師によれば、痛みの原因は血流にあります。からだを温めて血流を促すことが大事なのです。

[班目医師考案の湯たんぽ療法]
1 容量が2リットル以上の湯たんぽに、80℃以上のお湯を入れる。沸騰したお湯が望ましい。やけどに注意。
2 おなか→太もも→お尻→二の腕の順番で湯たんぽを移動させる。
※1つの部位につき、湯たんぽで温めるのは3~10分。汗をかく前に次の部位に湯たんぽを移動させる。

○イライラ・不安定
 イライラしたり気持ちが不安定になったりしている人のほとんどが、わきが縮こまって、呼吸が浅くなっています。ですから「わき伸ばし」を試してください。「イタた」と感じたら、呼吸が浅いからイライラするのだと自覚するといいでしょう。

 もう一つは、他人に害を与えない範囲で、自分のやりたいことだけやってください。
 勉強をやめたってかまわないのです。後で自分が困るだけで、親も教師も本当は無関係。ただし、他人の勉強を邪魔してはいけません。
 大食いもそう。太っていようがやせていようが、他人は本当は無関係。
 自分のやりたいことだけやっていると、イライラすることはないはずです。「他人のためにやってあげている」という気持ちがあるから、つらくなるのです。

 何が本当に自分のためになるのか、思春期の女の子たちには一度突き詰めて考えてほしいと思います。

[わき伸ばし]
1 直立して両足を腰幅に開く。両手は力を抜いて体のわきに下ろす。
2 右手を高く上げ、右わきをゆっくりと伸ばしていく。自然なリズムで呼吸しながら、ウエストの右側が伸びていると感じたら、そのまま30秒キープ。
3 同様に左わきも伸ばす。

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