ラーメンは醤油よりとんこつのほうが太りにくい? 血糖値上昇の新事実

空腹時の血糖値が基準値でも
油断は禁物

「糖化」とは、食事で摂取した糖質と体内のたんぱく質が結びつき、変性して劣化すること。

筋肉や血管、内臓など人間の体の大部分は、たんぱく質でできています。そのため、例えば糖質が血管の細胞のたんぱく質と結合すると、血管壁に炎症が起こりやすくなり、動脈硬化のリスクが高くなります。つまりは血管の老化が進んで、血管年齢が上がってしまうのです。

 

糖化という化学反応の例としてよく登場するのが、トーストした食パン。フワフワのパンをトーストしたら、こんがりと、おいしそうな褐色になります。これも糖化です。
食パンに含まれる糖質とたんぱく質は、焼いて熱を加えられることで結びつき、固く、黒くなります。

糖化が体内で起これば、食パンをトーストしたときと同じように私たちの体も変化します
血液中に余分な糖が増えると、血液の成分のたんぱく質と結合して、全身に酸素を運ぶ役割が果たされなくなります。
肌の糖化が進めば、トーストの黒いコゲと同じように、肌はくすんで、弾力を失います。

空腹時の血糖値が基準値だからといって、油断はできません。血糖値はさまざまな影響を受けて、いつも上下しているからです。

例えば、食後高血糖。食後30分から1時間程度で、血糖値が急上昇する現象です。午前中の仕事が長引いて、空腹の状態で慌ててうどんをかき込むと、食後に血糖値が急上昇してから急降下するという具合に激しく変動するのです。

血糖値を気にしなければならないのは、糖尿病や肥満の人だけではありません。体の内側と外側の若さを保つためにも、血糖値が急上昇しない食事法が大切なのです。

 

その具体的な方法を紹介しているのが、「なごみクリニック」院長の亀川寛大(かめかわ かんだい)医師。亀川医師自身が血糖値コントロールを行って、15キロの減量に成功しています。

f:id:shouchishuppan:20180828191836j:plain

そして、患者さんにも血糖値が上がりにくい食事法を指導しながら、手軽に生活に取り入れられるように血糖値が上がらない外食メニューの調査を行っています。

そのデータをもとに、6月28日に放送された「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系、夜7時58分から)では、双子のお笑いコンビである「ザ・たっち」に食事法を指導。この2人が体を張って検証したのですが、視聴者の予想を裏切るような驚きの結果が出ました。

血糖値が上がりにくい食事法はどっちなのか、ザ・たっちによる検証を紹介しましょう。

 

チーズたっぷりパスタのほうが
食後血糖値が上がらなかった!

 
ザ・たっちの兄はたくやで、弟がかずや。この2人は身長と体重だけでなく、トイレのタイミングもほぼ同じなのだそうです。
たくやとかずやは、食後血糖値を調べるために、まず、24 時間血糖値測定器を装着しました。

そして亀川医師がミッションとして課した外食メニューをそれぞれが食べて、血糖値の変化を調べました。

○ミッション1 ラーメン店でトッピングありとなし
ラーメン店で、弟のかずやはトッピングなし、兄のたくやはトッピングありを食べるのがミッション。たくやのラーメンには、もやしやタマネギといった野菜が山盛りに載せられ、さらにチャーシューが3枚追加されました。たくやのほうが、明らかに食べる量もカロリーも多くなっています。
ところが、食後血糖値はたくやよりもかずやのほうが先に上がっていったのです。

○ミッション2 ハンバーガー店でアイスコーヒーか牛乳か
ハンバーガー店で、ハンバーガーと一緒に飲むドリンクを、弟のかずやはアイスコーヒーに、兄のたくやは牛乳にしました。
すると、食後血糖値はたくやよりもかずやのほうが急激に上がったのです。

 

○ミッション3 パスタ店でトッピングありとなし
パスタ店で、2人ともミートソースパスタを食べます。ただし、弟のかずやはトッピングなしで、兄のたくやはチーズをたっぷりとかけて食べることになりました。
その結果、たくやよりもかずやのほうが食後血糖値はすぐに上がっていったのです。

 

○ミッション4 ラーメン店で醤油ラーメンかとんこつラーメンか
ラーメン店で、かずやはあっさりとした醤油ラーメンを、たくやはこってりとしたとんこつラーメンを食べました。
すると、かずやの血糖値がどんどん上昇し、140mg/dlに迫る勢い。一方のたくやは、血糖値の上昇が穏やかでした。

 

以上のように、私たちが「不健康」「太りそう」と思って敬遠しがちなメニューのほうが、血糖値が上がりにくいという結果が出てしまったのです。

 

脂質やたんぱく質
糖質の吸収を穏やかにする

亀川医師の解説では、脂質やたんぱく質が糖質の吸収を穏やかにするということです。
ミッション1では、チャーシューが血糖値の上昇を抑える役割を果たしていました。そのため「むしろ(チャーシューを)食べていただきたいですね」と亀川医師がコメント。
同様に、ミッション2は牛乳の乳脂肪、ミッション3ではチーズの乳脂肪、ミッション4についてはとんこつスープに含まれる骨の髄から出たたっぷりの脂肪によって、血糖値が上がりにくくなったわけです。

 カロリー計算が中心である食事指導では、目の敵にされてきた脂肪。しかし、血糖値を上げないという観点では、むしろ脂肪を上手に摂取して、糖質量を減らしたほうがよさそうです。